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歯車

 港にはいろいろな人が訪れる。

 上級貴族・下級貴族・商人・一般人。……そして、ここみたいな小さなところだと、特に密航者。

 海の向こうから来る人もいれば、陸のほうから来る人もいる。

 いや、ここにくるのは人だけではない。むしろ、人なんかよりずっと多くの荷物が毎日送られてくる。

 そんなたくさんの荷物の整理・運搬をしているのがボクのような機械人形だ。

 身体の大きさは人の子供くらいしかないのだけれど、大人が3人がかりで持ち上げられないような荷物を軽く運べられるだけの力はあるんだ。

 まぁ、鉄でできた奴よりかは弱いけどさ。でも、そんな奴らがここにいたら、錆付いてしまって、それこそお荷物になってしまうからね。ボクみたいな木製が便利なんだ。

 そんなわけで、今日も今日とて仕事をこなす。

 そんなある日のこと。真夜中に降り出した雨はとうとう朝まで止まなかった。

 海に一番近い第2倉庫で荷物チェックをしている時に、一度だけとても大きな雷が落ちた。光や音の方向からして、工場が固まっている街のどこかだ。きっとひどい被害が出た。

 機械人形がそばにいれば、壊れてしまっただろう。まぁ、別にどうでもいいことだけどね。

 持っていたチェックボードを濡らさないように、次の倉庫へと急ぐ。

 ちょっとのんびりとしすぎた。このままじゃ、今日の定期便が着くまでに間に合わないな。それに、今日は定期メンテナンスの日なので、午前中に今ある分の仕事を終わらしておかないといけない。

 残りの時間と仕事量から、時間内に終わらせられる動きを計算。――完了。

 これはちょっと急ぐどころの話ではないな。

 とにかく、今歩いている速度から上げることにした。